ついったータグの
#リプくだすった方のお子さんを拉致してうちの子と絡めて小さなお話にして叩きつける の小話です
木乃さん宅のロイドくんとうちのグダグルとの話です
15歳未満の方はご遠慮ください お願いします
秋から冬にさしかかる季節。
夕方というべき時刻だが、すでに橙色は消えかけ、大通りは家に帰ろうとする主婦や子ども、あるいはこれから迷宮に挑もうと鋭い瞳をギラつかせる冒険者たちが行き交っている。
しかしそこから一つ路地へと入り込めば、闇と静けさに包まれる。
薄闇に白く輝く梔子の匂いが鼻をつく。ほとんど人の通わないこんな場所で、健気に咲いている。
「ねぇ」
聞き慣れない声に振り向くのがためらわれたが、先ほどから感じる人の気配は2人。自分と、後ろを歩く誰か、だ。呼びかけは確実に自分に対してであろう。何か落としでもしたろうか、と声の方へ身体を向けた。
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華奢だが、すらりと伸びた長身。歩く度にキラキラと光を弾く、美しく艶のある緑の長髪。少しの露出も許さない、それでいて身体のラインを強調するような真黒の衣服。
そのどれもが人目を引いた。
後ろ姿から漂う凛とした雰囲気に、とにもかくにも興味が惹かれる。
顔が見たい。そしてあわよくば、×××したい、のだ。
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振り返った青年は、首をかしげた。声に感じたように、やはり見覚えがないのだろう。
「…誰、あんた？」
暗闇でもはっきりと光を放つ赤い瞳が男を貫く。明らかに警戒しているようだった。
「誰だろう？……………知りたい？ならおいで」
それだけ言うと、黒髪の男は軽やかな足どりで闇へと溶けた。横道を駆ける音が響く。
青年は不審に思いながらも、横道へ足を踏み入れた。ほんの少しの好奇心からだった。
男の足は思った以上に早く、相変わらず姿は闇の中のままであった。暫く進むと、複数の家の壁面を臨む少し開けた袋小路へとたどり着いた。
「……ッ！」
瞬間、男ー待ち伏せていたらしいーが背後に現れた。しまった、と思ったが時遅く、首には荒縄が巻かれていた。
本能的に逃げようと身をよじるも、首はさらに窮屈になるだけで、青年はパニックに陥った。手で何もない空をかきまわしながら、必死に空気を肺に取り込もうとする。
そのうち青年の抵抗は衰え、ぐったりと、全体重を男の腕にもたせかけた。
黒く質素な棺桶が積み重なり、かろうじて部屋全体を灯せるほどのわずかな明かりしかない部屋で、男は青年に微笑みかけた。
「やっぱり、僕の思った通りだった。とっても綺麗な顔をしているよね」
「赤い瞳が1番好き。…ふふ、そんなに照れなくていいんだよ？」
「髪も、長くて、さらさらで…女の子に妬ましく思われないのかい」
「痛くしないから……ね？」
「んっ……はぁ、ぁっ…そんな顔も、する、ん、だねっ…」
「そんなに、僕のことっ…好き？んァ……あぁッ、かわいぃッ………！！！」
「僕も、好き……………だったかな」
事後、青年の華奢な身体は生前の麗しさも無く、皮膚は赤黒く変色しているところや、裂けて折れた骨が飛び出しているところがほとんどだった。
「でも、顔以外が綺麗じゃなくなっちゃった」
男は残念そうにため息をつき、路地裏に面する窓を開けた。冷たい空気が入ってくるとともに、窓のへりを水しぶきが打つ。
ぐにゃぐにゃと芯の無くなった青年は、冷たい雨の中へと放り出された。
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青髪の少年は、ひっそりとした中通りを駆けていた。苦学生や金の無い冒険者たちが住んでいる借り家が立ち並んでいる通りである。
「…あっ」
陽が沈みまもなく、薄暗い視界で目を惹くものがあった。
「白い花……もうすぐ冬なのに、まだ咲いてるのか…」
可憐な花の小さな群生にしばし心を癒され、そろそろ行くか、と踵を返そうとしたその時。花の奥に、"何か"があることに気づいた。
「…なに………？」
暗くてよく分からないが、目を凝らせば確かにある。好奇心旺盛な少年は、花をかきわけた。
「………ッ！！！」
少年は息を呑んだ。そこにあったのは、何とも形容しがたいモノだった。しかし、少年は直感的に分かった。コレは人だと。それも、自分のよく見知った。
「…あ、あ…………ロイ……ド？」
嘘ではないかと思った。知人と似通った、他人ではないかと。しかし同時に、彼だという根拠のない確証も抱いていた。
「なん、で……なんでこんな……………ぁ……なぁっ……？」
ーーー死人に口無し。
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